公   示

 公 示 第 1 2 号


  一般乗用旅客自動車運送事業(1人1車制個人タクシーを除く。)の許可申請に
 対する審査基準について


 一般乗用旅客自動車運送事業(1人1車制個人タクシーを除く。)の許可申請につ
いて、道路運送法(昭和26年法律第183号。以下「法」という。)第6条の規定
に係る審査基準を下記のとおり定めたので公示する。

    平成14年7月1日


                        北陸信越運輸局長 武藤秀一



                   記

1.営業区域
 (1)道路運送法施行規則(昭和26年運輸省令第75号。以下「施行規則」とい
   う。)第5条に基づき北陸信越運輸局長(以下「局長」という。)が定める別
   表左欄に掲げる交通圏・市・郡を単位としているものであること。
 (2)営業区域に営業所を設置するものであること。


2.営業所
  配置する事業用自動車に係る運行管理及び利用者への営業上の対応を行う事務所
 であって、次の各事項に適合するものであること。
 (1)営業区域内にあること。なお、複数の営業区域を有するものにあっては、そ
   れぞれの営業区域内にあること。
 (2)申請者が、土地、建物について3年以上の使用権原を有するものであり、以
   下の挙証等があること。
   @ 自己保有の場合は登記簿謄本の提示又は写しの提出があること。
   A 借用の場合は契約期間が概ね3年以上の賃貸借契約書の提示又は写しの提
    出があること。なお、賃貸借契約期間が3年未満の場合は、契約期間満了時
    に自動的に当該契約が更新されると認められるものであること。
 (3)建築基準法(昭和25年法律第201号)、都市計画法(昭和43年法律第
   100号)、消防法(昭和23年法律第186号)、農地法(昭和27年法律
   第229号)等関係法令の規定に抵触しないものであり、その旨の宣誓書の提
   出があること。
 (4)事業計画を的確に遂行するに足る規模のものであること。


3.事業用自動車
  申請者が使用権原を有するものであり、以下の挙証等があること。
 (1)購入する場合にあっては、購入に係る契約書(許可を前提とする仮契約書又
   は購入を前提とする見積書を含む。)の提示又は写しの提出があること。
 (2)リース車両については、リース契約期間が概ね1年以上であり、当該契約に
   係る契約書(許可を前提とする仮契約書又は契約を前提とする見積書を含む。
   )の提示又は写しの提出があること。


4.最低車両数
 (1)別表左欄の営業区域ごとに、それぞれ同表右欄に掲げる車両数以上の事業用
   自動車を配置するものであること。
 (2)同一営業区域内に複数の営業所を設置する場合にあっては、いずれの営業所
   においても5両以上の事業用自動車を配置するものであること。
 (3)(1)、(2)については、離島等これらの基準によりがたいとして局長が
   認める場合については、jこれによらないことができるものとする。ただし、こ
   の場合にあっては、2両以上の事業用自動車を配置するものであること。
 (4)最低車両数の算定においては、一般の需要に応ずることができない車椅子専
   用車両等は含めないこととする。

5.自動車車庫
 (1)原則として、営業所に併設するものであること。ただし、併設できない場合
   は、営業所から直線で2キロメートル以内の営業区域内にあって、運行管理を
   はじめとする管理が十分可能であること。なお、管理については、運行管理の
   ほか、事業用自動車の車内の掲示、点検整備、応急用器具等の備付け等の管理
   であって、事業計画に照らし個別に判断することとする。
 (2)1営業所に対して著しく多くの自動車車庫を設置する等、不自然な形態での
   事業用自動車の分散配置は、認めないこととする。
 (3)車両と自動車車庫の境界及び車両相互間の間隔が50センチメートル以上確
   保され、かつ、営業所に配置する事業用自動車の全てを収容できるものである
   こと。
 (4)他の用途に使用される部分と明確に区画されているものであること。
 (5)申請者が、土地、建物について3年以上の使用権原を有するものであり、2.
   (2)の挙証等があること。
 (6)建築基準法、都市計画法、消防法、農地法等関係法令の規定に抵触しないも
   のであり、その旨の宣誓書の提出があること。
 (7)事業用自動車の点検、整備(自動車点検基準(昭和26年運輸省令第70号
    )第6条に規定する調整)及び清掃のための施設が設けられていること。
 (8)車両の出入りに支障がない構造であり、前面道路が車両制限令(昭和36年
   政令第265号)に抵触しないものであること。また、前面道路が私道の場合
   にあっては、当該私道の通行に係る使用権原を有する者の承認があり、かつ、
   当該私道に接続する公道が車両制限令に抵触しないものであること。なお、前
   面道路(公道)及び私道に接続する公道について、道路幅員証明書の提出(出
   入りに支障のないことが明らかな場合を除く。)があること。

6.休憩仮眠施設
 (1)原則として、営業所又は自動車車庫に併設するものであること。ただし、併
   設できない場合は、営業所及び自動車車庫のいずれからも直線で2キロメート
   ルの範囲内にあること。
 (2)事業計画を的確に遂行するに足る規模を有し、適切な設備を有するものであ
   ること。
 (3)他の用途に使用される部分と明確に区画され、かつ、事業計画に照らし運転
   者が常時使用することができるものであること。
 (4)申請者が、土地、建物について3年以上の使用権原を有するものであり、2.
   (2)の挙証等があること。
 (5)建築基準法、都市計画法、消防法、農地法等関係法令の規定に抵触しないも
   のであり、その旨の宣誓書の提出があること。

7.管理運営体制
 (1)法人にあっては、当該法人の役員のうち1名以上が専従するものであり、か
   つ、専従する役員のうち1名は、10.(1)の法令試験に合格した者であるこ
   と。
 (2)営業所ごとに、旅客自動車運送事業運輸規則(昭和31年運輸省令第44号。
   以下「運輸規則」という。)第47条の2に規定する要件を満たす常勤の運行
   管理者を確保する管理計画があること。この場合において、運輸規則第22条
   第1項に基づき局長が指定する地域において法第23条の2第1項第2号の規
   定により運行管理者資格証の交付を受けた者を運行管理者として選任する場合
   には、申請に係る営業区域において5年以上の実務経験を有するものであり、
   これを職務経歴書等の提出により確認できるものであること。
 (3)運行管理を担当する役員等運行管理に関する指揮命令系統が明確であること。
   また、複数の運行管理者を選任する営業所にあっては、運行管理者の業務を統
   括する運行管理者が運行管理規定により明確化されていることを含め、運行管
   理責任が分散しないような指揮命令系統を有するものであること。
 (4)自動車車庫を営業所に併設できない場合は、自動車車庫と営業所との連絡網
   が規定されている等、常時密接な連絡をとれる体制が整備されているとともに、
   原則として、対面による点呼等が確実に実施される体制が確立されていること。
 (5)事故防止についての教育及び指導体制を備え、かつ、事故の処理及び自動車
   事故報告規則(昭和26年運輸省令第104号)に基づく報告等の責任体制そ
   の他緊急時の連絡体制及び協力体制について明確に整備されていること。
 (6)上記(2)〜(5)の事項等を明記した運行管理規程が定められていること。
 (7)運輸規則第36条第2項に基づく運転者として選任しようとする者に対して
   は、別に定める基準を満たす指導を行うことができる体制が確立されているこ
   と。
 (8)運転者に対して行う営業区域内の地理及び利用者等に対する応接に関する指
   導監督に係る指導要領が定められているとともに、当該指導監督を総括処理す
   る指導主任者が選任されていること。
 (9)原則として、常勤の有資格の整備管理者の選任計画があること。ただし、整
   備管理者を外部委託する場合は、事業用自動車の運行の可否の決定等整備管理
   に関する業務が確実に実施される体制が確立されていること。
 (10)運輸規則第3条の規定するところにより、利用者等からの苦情を処理するこ
   とが可能な体制が整備されていること。

8.運転者
 (1)事業計画を遂行するに足る員数の有資格の運転者を常時選任する計画がある
   こと。この場合の計画は、適切な乗務割、労働時間、給与体系を前提としたも
   のであって、労働関係法令の規定に抵触するものでないこと。
 (2)運転者は、運輸規則第36条第1項各号に該当する者でないこと。
 (3)定時性乗務員を選任する場合には、適切な就業規則を定め、適切な乗務割に
   よる乗務日時の決定等が適切になされるものであること。

9.資金計画
 (1)所要資金の見積りが適切であり、かつ、資金計画が合理的かつ確実なもので
   あること。なお、所要資金は、次の@〜Eの合計額とし、各費用ごとに以下に
   示すところにより計算されているものであること。
   @ 車両費  取得価格(未払金を含む)又はリースの場合は1年分の賃借料
    等
   A 土地、建物費  取得価格(未払金を含む)又は1年分の賃借料、敷金等
   B 機械器具及び什器備品  所得価格(未払金を含む)
   C 運転資金  人件費、燃料油脂費、修繕費等の2か月分
   D 保険料等  保険料及び租税公課(1年分)
   E その他  創業費等開業に要する費用(全額)
 (2)所要資金の50%以上、かつ、事業開始当初に要する資金の100%以上の
   自己資金が、申請日以降常時確保されていること。なお、事業開始当初に要す
   る資金は、次の@〜Bの合計額とする。
   @ (1)@に係る頭金及び2か月分の分割支払金、又はリースの場合は2か
    月分の賃借料等。ただし、一括払いによって所得する場合は、(1)@と同
    額とする。
   A (1)Aに係る頭金及び2か月分の分割支払金又は、2か月分の賃借料及
    び敷金等。ただし、一括払いによって取得する場合は、(1)Aと同額とす
    る。
   B(1)B〜Eに係る合計額。
 (3)施行規則第6条第1項第2号に規定する添付書類は、別記様式を例とする。
    なお、自己資金には、当該申請事業に係る預貯金のほか預貯金以外の流動資
   産を含めることができることとし、以下により確認するものとする。
   @ 預貯金額については、申請日時点及び処分までの適宜の時点の残高証明書
    等の提示又は写しの提出により確認することとする。
   A 預貯金以外の流動資産額については、申請日時点の見込み貸借対照表等の
    提出により確認することとする。
 (4)その他施行規則第6条第1項第6号から第9号に規定する添付書類を基本と
   して審査することとする。

10.法令遵守
 (1)申請者又は申請者が法人である場合にあってはその法人の業務を執行する常
   勤の役員で専従する役員のうち1名が、一般乗用旅客自動車運送事業の遂行に
   必要な法令の知識を有するものであること。なお、法令の知識については、別
   に定める法令試験によって判断するものとする。
 (2)申請者又は申請者が法人である場合にあってはその法人の業務を執行する常
   勤の役員(いかなる名称によるかを問わず、これと同等以上の職権又は支配力
   を有する者を含む。以下同じ。 )( 以下「申請者等」という。)が、次の@
   〜Eに該当する等、法令遵守の点で問題のないこと。
   @ 法、貨物自動車運送事業法(平成元年法律第83号)及びタクシー業務適
    正化特別措置法(昭和45年法律第75号)等の違反により申請日前2年間
    及び申請日以降に輸送施設の使用停止以上の処分又は使用制限(禁止)の処
    分を受けた者(当該処分を受けた者が法人である場合においては、当該処分
    を受けた法人の処分を受ける原因となった事項が発生した当時、現に当該処
    分を受けた法人の業務を執行する常勤の役員として在任していた者を含む。)
    ではないこと。
   A 自動車運転代行業の業務の適正化に関する法律(平成13年法律第57
    号)の違反により申請日前2年間及び申請日以降に営業の停止命令又は営業
    の廃止命令の処分を受けた者(当該処分を受けた者が法人である場合におい
    ては、当該処分を受けた法人の処分を受ける原因となった事項が発生した当
    時、現に当該処分を受けた法人の業務を執行する常勤の役員として在任して
    いた者を含む。)ではないこと。
   B 法、貨物自動車運送事業法及びタクシー業務適正化特別措置法等の違反に
    より、輸送の安全の確保、公衆の利便を阻害する行為の禁止、公共の福祉を
    阻害している事実等に対し改善命令を受けた場合にあっては、申請日前に当
    該命令された事項が改善されていること。
   C 申請日前1年間及び申請日以降に自らの責に帰する重大事故を発生させて
    いないこと。
   D 申請日前1年間及び申請日以降に特に悪質と認められる道路交通法(昭和
    35年法律第105号)の違反(無免許、飲酒、過労に起因する事故、ひき
    逃げ等)がないこと。
   E 旅客自動車運送事業等報告規則(昭和39年運輸省令第21号)、貨物自
    動車運送事業報告規則(平成2年運輸省令第33号)及び自動車事故報告規
    則に基づく各種報告の提出を適切に行っていること。

11.損害賠償能力
  対人8,000万円以上、対物200万円以上の任意保険又は共済に計画車両の
 全てが加入する計画があること。

12.適用等
 (1)リフト付きタクシー等特殊なサービスに限る事業(特殊な設備を有する車両
   のみを用いて行うもので、通常のタクシー事業を行うことができないもの。)
   については、事業の特性を踏まえ、1.及び4.(営業区域及び最低車両数)
   について弾力的に取扱うこととし、許可に際しては、業務の範囲を当該事業に
   限定する旨の条件を付すこととする。
 (2)施行規則第4条第4項第3号に規定するハイヤーのみを配置して行う事業に
   ついては、業務の範囲を当該事業に限定する旨の条件を付すこととする。
 (3)許可にあたっては、許可後1年以内に事業を開始することの条件を付すこ
   ととする。

13.申請時期等
 (1)申請は、随時受付けるものとする。ただし、法第8条の緊急調整地域に指定
   されている地域を営業区域とする申請の受付は行わない。
 (2)処分は、原則として随時行うこととする。ただし、標準処理期間を考慮した
   上で一定の処分時期を別途定めることができることとする。

14.許可に付した条件の変更等
 (1)上記の許可に付した条件又は期限について、変更若しくは解除又は期限の延
   長を行う場合には、上記1.〜 13. の定めによるところにより審査すること
   とする。
 (2)業務の範囲を一定の事業等に限定する旨の条件の解除は、緊急調整地域に指
   定された地域では行わない。

15.挙証等
  申請内容について、客観的な挙証があり、かつ、合理的な陳述がなされるもので
 あること。また、上記1. 〜 14.のほか、挙証等のために必要最小限の範囲で求
 める図面その他の資料の提出があること。


附 則
 1.この公示は平成14年7月1日から適用する。
 2.タクシー業務適正化特別措置法の違反による処分等には、平成14年1月31
  日以前のタクシー業務適正化臨時措置法の違反による処分等を含むものとする。
 3.事案の処理に際しては本審査基準によるほか、申請窓口に備え置く国土交通省
  通達「一般乗用旅客自動車運送事業(1人1車制個人タクシーを除く。)の申請
  に対する処理方針についての細部取扱いについて」(平成13年9月27日付け
  国自旅第89号)の定めによるものとする。
 4.「一般乗用旅客自動車運送事業(1人1車制個人タクシーを除く。)の許可申
  請に対する審査基準について」(平成13年12月27日付公示第82号)は、
  平成14年6月30日限りで廃止する。